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化学品の輸送と空容器返送に鉄道を利用

保土谷化学工業株式会社



 老舗化学メーカーとして知られる保土谷化学工業㈱は1916(大正5)年に創業し、同時に郡山工場の操業を開始しました。

「郡山工場は主に過酸化水素とその誘導体、例えば過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)や過酢酸(オキシペール/除菌剤)、養殖魚用寄生虫駆除剤『サカナガード』を生産しています。郡山は交通の要衝で、豊富な水と電力施設もあり、100年前から工場建設に適していました」と同工場長。敷地内にはかつて専用線が敷かれており、コンテナ化された現在も鉄道との関わりが深いメーカーです。

保土谷化学工業パーオキサイド事業部長は、鉄道貨物輸送について「12ftコンテナとISOタンクコンテナを利用しています。郡山工場からは12ftコンテナで『サカナガード』や過酢酸など各種容器に入った液体製品と、粒体でフレコンバッグ入りの過炭酸ナトリウムを出荷しています。ISOタンクコンテナで運ぶのは過酸化水素です」と説明されました。

 

     

 

充填前のペットボトル除菌に使われる過酢酸は飲料メーカーなどへ、過炭酸ナトリウムは洗剤メーカーへ直接納品されます。過酸化水素は受け入れ先の設備条件により、ローリー車、1tコンテナ(IBCs)、ブロー缶で納品します。基本的に2tまでは路線便で対応しますが、長距離輸送では2t以下でもコンテナに切り替えます。

輸送モードを選択する保土谷ロジスティックス㈱は「鉄道は全国を網羅しており、定期的な輸送の他、スポット輸送も多い。関東以西はコストメリットがあります」と利点を挙げました。

2011年に『サカナガード』が動物用医薬品として登録され、養殖業が盛んな九州・四国への出荷が増え、比例して鉄道コンテナの利用も増えました。近年一番利用の多い鹿児島貨物ターミナル駅の近くに設けたストックポイントに納入し、注文数量に応じて、錦江湾周辺の養殖業者へ配送します。水温上昇により寄生虫が発生しやすい時期には、前もってストックポイントに在庫を送り込んでおくことで旺盛な需要に応えます。納期に余裕のある在庫分では、例えば“1週間に12ftコンテナ20個分を運ぶ”という条件であれば、利用運送事業者の日本フレートライナー㈱とJR貨物郡山営業所で、土日の輸送枠を使うなど1日の発送量を調整することで対応します。

 郡山工場からの12ftコンテナによる発送は、月間150個ほど。『サカナガード』は動物用医薬品なので、容器は新品のブロー缶のみを使用します。小口の過酸化水素は新品の缶とリユース缶を使用しており、どちらも空容器を返送します。パレットの返送品輸送も合わせて月間50個(12ftコンテナ)になります。ISOタンクコンテナは15個発送し、同数を返送しています。

 

 

          

 

 

保土谷化学工業、保土谷ロジスティックス、日本フレートライナー、JR貨物郡山営業所では、年1回、液漏れなどの輸送事故が起こらないように安全教育の勉強会を開いています。

「サカナガード」は劇物に該当し、過酢酸には強い刺激臭と刺激性・腐食性があるため、ともに接触・吸引しないよう注意が必要です。過炭酸ナトリウムも「熱源から離す」「湿気の多い場所に保管しない」など留意点があり、特に液漏れは厳禁です。鉄道は、路線便と違い積替え作業がないため、破損などの輸送事故が少ないそうです。

さらに新缶もリユース缶も、液漏れの有無を3回確認してから封印環を付けます。またブロー缶は鉄道コンテナ輸送には1年未満のものしか使用しないなど、安全対策を徹底しています。

保土谷化学工業パーオキサイド事業部長は、「ブロー缶は12ftコンテナにバラ積みで250缶積載可能ですが、固定用のバンドが掛からない2缶が端数となり、荷崩れ・破損が起きやすくなります。そこでお客様のご理解を得て、248缶で発注していただいております」と顧客の協力に謝意を述べられました。

20179月に、『サカナガード』『過炭酸ナトリウム』『過酢酸』『電荷制御剤TP415』の4品目がエコレールマーク商品に、保土谷化学工業は取組企業に認定されました。同社ではエコレールマークを統合報告書、ホームページ、株主向けの冊子等に環境負荷低減の取り組みとして掲載しています。

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