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グループで連携して鉄道利用を加速

キユーピー株式会社/株式会社キユーソー流通システム/キユーソーティス株式会社

1919(大正8)年に設立したキユーピー(株)は、マヨネーズなど各種ソースをはじめとする身近な家庭用食品や、卵を原料とした業務用食品など、幅広い製品を提供しています。キユーピーのグループ会社で、食品物流のリーディングカンパニーである(株)キユーソー流通システムとその配送・輸送を行うキユーソーティス(株)は、以前から北海道・東北向けの長距離輸送で12ftコンテナを活用していましたが、ここ数年、31ftコンテナによる鉄道利用を増やしています。
キユーピーロジスティクス本部企画部は「キユーピーグループでは社会貢献の一環として、環境負荷低減に取り組んでいます。労働力不足、CO2排出量削減、また環境保全を重視するキユーピーグループの方針に沿い、鉄道へのモーダルシフトを推進しています」と話します。同グループでは、物流に携わる会社が定期的に会議を開き、顧客の理解を得て小口配送を削減する、受注締め切り時間を1時間前倒しのご協力をいただき、現場の作業負担軽減に努めるなど、「品質第一」かつ実効ある取り組みを行っています。

2015年にはキユーソー流通システムを中心に、キユーピー、キユーピータマゴ(株)、キユーソーティス、(株)エスワイプロモーション、全国通運(株)、JR貨物と共に、「キユーピーグループモーダルシフト推進協議会」を立ち上げ、国土交通省のモーダルシフト等推進事業に認定されました。
トラックによる共同物流にもいち早く取り組んできたキユーソー流通システム中日本支社西府営業所は「協議会の活動を機に、キユーソー流通システム(KRS)のロゴ入り31ftコンテナを4個製作し、本格的に鉄道利用を進めています。31ftコンテナは、北関東~関西の往復に2個、北関東~九州1個、北関東~関西~九州の三角輸送に1個運用しています」。
また昨年4月に、キユーピーの赤い網目模様入り31ft冷凍コンテナを2個製作し、関東~関西の拠点間で往復運用。GPSを搭載しているので、現在位置・庫内温度などをリアルタイムで把握できます。中河原工場(東京都)では、主に業務用の冷凍・チルド品を製造しています。発着両サイドとも、その日の物量に合わせ、31ft冷凍コンテナを冷凍(-23~20℃)またはチルド(+5℃)のいずれの温度帯に設定するか選択します。
キユーソーティス営業推進部モーダル推進課は「31ftコンテナ利用には、ドライバー不足を背景に取り組みを拡大しています。ドライバーの付帯作業削減にも重きを置き、パレット積みとしています。列車の締切時刻に合わせて出荷を前倒しする必要がありましたが、トラックとは別のスキームと割り切って作業スケジュールを変更した結果、ドライバー拘束時間も短縮できました。道路渋滞や通行止めなどのリスクと比べると、鉄道輸送はリスクが小さい」とメリットにも触れました。
また同社では、コンテナ集配トラックを含め、長距離輸送分の発送はバース到着時間を細かく決めており、待機時間を減らす取り組みも行っています。

持続的に製品を供給する
1月から他社が関東~九州の片道利用後に空回送していた31ftコンテナを、キユーピーグループが九州~関東でマッチング利用する取り組みが始まりました。
キユーピーロジスティクス本部企画部企画推進チームは「加工食品メーカーは消費地を中心に配置されているので、工場同士がそれほど離れていません。コラボする企業と双方にメリットがあるように、積載率を高める必要があります。共同輸送となると、集配の順番などバランス調整が必要。時間の制約もありますが、安定的に荷量を確保するのが難しいですね」と説明。さらなる鉄道コンテナ活用も視野に検討が進んでいます。
キユーピーグループは今年、常温商品を対象に、500km以上の輸送におけるモーダルシフト率を50%にする目標を持って取り組んでいます。昨年の達成率は40%でしたが、今年も31ftの常温コンテナ2個と冷凍コンテナ2個を増備する予定であり、既存ルートの他、新規輸送ルートで効率よく稼働できれば、目標を達成できる見込みです。