人権尊重
私たちの考える人権尊重
1948年に採択された『世界人権宣言』により、人権尊重の原則が国際社会において広く確認されて以来、一人ひとりが人間らしく尊厳をもって平等に生きる権利は、社会において不可侵のものとして位置付けられてきました。
従業員、顧客、取引先、地域住民など多くの人々と関わる立場にある企業は、人権尊重の責任主体であり、人権尊重は企業活動の根幹をなす重要な責務です。
JR貨物は、当社に関わるすべての人をかけがえのない存在として尊び、誠実かつ公正な事業活動を実践するために、2026年6月、「JR貨物グループ人権方針」を策定いたしました。当該方針に則り、人権尊重の取り組みを実施することで、社会の持続的な発展に向けて総合物流企業グループとしての責務を果たしてまいります。
JR貨物グループ人権方針
前文
JR貨物グループは、産業と人々の暮らしを支える総合物流企業グループとして、社会の持続的な発展に貢献することを使命としております。その基盤となるのはすべての人の尊厳を尊重し、人権を守るという普遍的な価値観であり、役員・従業員一人ひとりが人権尊重の理念を理解し、日々の業務において実践することを求めることにより、持続可能な社会の実現と経済発展に向けて誠実に責務を果たしてまいります。
基本的な考え方
JR貨物グループは、世界中の人々が等しく有する基本的人権について規定した「世界人権宣言、自由権規約、社会権規約(国際人権章典)」、「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」、労働者の人権に関する諸条約等の人権に関する国際規範を支持します。また、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいて策定した本方針のもと、お客さま、地域の皆さま、取引先企業、従業員等全てのステークホルダーを人権の主体として尊重し、人権侵害等の防止・軽減・救済に継続的に取り組みます。当社のグループ及びサプライチェーンを構成する企業が事業活動を行う範囲の各国の現地法令等が、国際的な人権基準に満たない場合や矛盾する場合、国際的な基準に基づき人権を尊重する方法を追求します。
なお、本方針はJR貨物グループの人権尊重への取り組みを規定する最上位の文書として位置付けます。
適用範囲
本方針は、JR貨物グループすべての役員及び従業員(正社員、シニア社員、契約社員、臨時社員、派遣社員、嘱託、出向受け社員などを含む)に適用します。また、取引先等に対しても、本方針への理解と支持を求め、人権リスクの予防・軽減に協働して取り組むことで人権の尊重に努めます。
人権の尊重
JR貨物グループは、個人の多様な価値観・個性・プライバシーを尊重し、人種、民族、宗教、国籍、社会的身分、性別、年齢、障がいの有無、性的指向、性自認などの違いによる差別をすることなく、人権を尊重します。また、従業員をはじめとするすべてのステークホルダーにとって暮らしやすい社会環境の実現に寄与するため、あらゆる差別や偏見に基づく言動を認めず、厳正に対処します。
人権デュー・ディリジェンス
JR貨物グループは、人権を尊重する責任を果たすため、人権デュー・ディリジェンスの取り組みを継続的に実施し、人権への負の影響を防止または軽減するよう努めます。また、JR貨物グループにおける全ての事業活動において発生しうる人権課題の中から重要な人権課題を別表のとおり定め、これらに対し、適切な取り組みを推進します。なお、当該課題については、社会の変化や事業動向などを踏まえ、適宜見直しを図ってまいります。
人権啓発推進体制
JR貨物グループは、人権尊重の責務を全うするため、JR貨物代表取締役を含む取締役(社外取締役を含む)、常勤監査役及び本社関係部長から構成される会議体を設置し、本方針に基づいた取り組みを推進します。
教育・啓発
JR貨物グループ全体の事業活動において人権が尊重されるよう、役員及び従業員等に対して、人権に関する国際基準の理解及び実践に繋がる教育・啓発を行います。また、取引先等に対しても理解促進に向けた取り組みに努めます。
救済措置
JR貨物グループは、当社グループの事業活動において直接的または間接的に人権に対する負の影響が生じていることが明らかになった場合、適切な手続きを通じて、その是正及び救済に取り組みます。匿名で通報可能な通報窓口を設置し、通報者や通報内容の秘密を適切に取り扱います。また、通報者に対する不利益な取り扱いや報復を禁止し、通報者の保護を徹底します。
情報開示
JR貨物グループは、本方針に基づく人権尊重の取り組み状況について、当社および当社グループ会社のホームページ等を通じて、適切に情報開示を行うなど、情報提供を充実させてまいります。
ステークホルダーとの対話
JR貨物グループは、ステークホルダーとの継続的な対話を通じて、人権リスクの実態把握や人権課題に関する問題意識の共有に努めます。また、対話・協議の結果を踏まえ、定期的に重要人権課題を含めた本方針の見直しを検討します。
その他
本方針は、2026年6月16日開催の経営会議及び2026年6月25日開催の取締役会にて承認されています。
2026年6月25日制定
日本貨物鉄道株式会社
代表取締役社長兼執行役員
重要人権課題及び取り組み方針

別表
2026年6月25日版
1
公正かつ安全・健康な労働条件と労働環境の整備
賃金の支払いおよび労働時間について、各国・地域で定める法令を遵守するとともに、従業員に対し、安全かつ衛生的で働きやすい労働環境の整備・提供に努めます。
2
差別・ハラスメントの禁止
あらゆる事業活動において、性別、年齢、国籍、人種、民族、出身、思想、信条、宗教、疾病、障がいの有無などによるいかなる差別・ハラスメントも禁止します。
3
強制労働・児童労働の禁止
強制労働や人身取引、児童労働など人権を侵害する労働慣行を一切認めません。
4
労働基本権
結社の自由、ならびに労働者の団結権および団体交渉をする権利をはじめとする労働基本権を尊重します。
5
サプライチェーン上の人権侵害の排除
資材の調達においては、サプライチェーン上において紛争鉱物の使用等による人権侵害が発生しないように適切に取り組みます。
6
地域社会との調和
各種現業機関においては地域住民の人権を尊重し、事業活動を進めていきます。
7
プライバシーの尊重と知的財産権の保護
各国・地域の法令に基づき、厳格なセキュリティ対策および適切な個人情報および知的財産権の保護・管理を徹底することで、あらゆるステークホルダーのプライバシーを尊重します。
8
環境・気候変動に関する人権問題
貨物鉄道輸送の優れた環境特性を活かし、バリューチェーン全体を通じて、気候変動の進行による人権への負の影響を回避するべく社会全体のCO2排出量の削減に寄与します。また、環境負荷低減に取り組むと同時に、環境および気候変動に関連する人権侵害に対しても適切な対応策を実施します。
人権デュー・ディリジェンスの実施
人権尊重の取り組みを進めていくためには、人権侵害の防止・軽減・救済のために人権侵害リスクを特定・評価し、特定したリスクに対する防止・軽減措置を講じ、 その効果を定期的に確認し、 ステークホルダーに対して適切に説明・情報開示を行うという流れで人権デュー・ディリジェンスを継続的に実施していく必要があります。
JR貨物では、以下のプロセスを3年周期で実践し、定期的に見直し・改善を行っていくことで取り組みの実効性を高めていきます。