陸海空をつなぐ、物流ベース。
総合物流企業への
フラッグシップ。

東京貨物ターミナル駅・総合物流施設建設

理工学部海洋建築工学科卒
事業開発本部 開発部

伊藤 裕介Yusuke Ito

理工学部海洋建築工学科卒
事業開発本部 開発部

PROFILE学生時代は海洋建築について学ぶ。就職活動ではメーカーへ進む道もあったが、「言われたものをつくるより、何をつくるのかから考えられる仕事がしたい」とJR貨物を選択。1990年入社。入社後1年間、石川県金沢貨物駅にて駅業務を経験した後、事業開発本部 開発部へ。以来、JR貨物が持つ不動産資産を活用した不動産関連事業に従事。複合型物流施設、商業施設、オフィスビルなど、大型の開発案件を推進してきた。現在は、事業開発本部 開発部長を担っている。

陸海空をつなぐ結節点に誕生する、国内最大級の総合物流施設。

遡ること2015年10月15日。JR貨物は一つの発表を行った。 −『総合物流企業として発展する布石として、国内最大級となる大型物流施設を開設し、物流の効率化、冷蔵冷凍倉庫機能やeコマース市場への対応など、時代のニーズに合わせた物流サービスを提供する新たな物流拠点にするとともに、鉄道事業との相乗効果をより一層生み出していく』−このメッセージが今まさに、現実になろうとしている。 東京都品川区。この場所に、新たな大型物流施設が間もなく誕生する。その名は、『東京レールゲート』。地上6階建て延床面積7.6万平米になる『東京レールゲートWEST(2020年3月竣工予定)』と、隣接するのは地上5階建て延床面積16.1万平米の『東京レールゲートEAST(2022年8月竣工予定)』。2棟を合わせると23.7万平米もの広大なものとなり、国内最大規模の総合物流施設になる。 最大の特長は立地だ。『レールゲート』の建設が進められているのは、東京貨物ターミナル駅構内。ここはもともと、首都高湾岸線大井南ICおよび平和島ICから約2km、東京港国際コンテナターミナルからは約3km、羽田空港国際貨物地区からも約4kmと、陸海空の各物流拠点からのアクセスに優れ、全輸送モードの<結節点>となっているターミナルである。さらに一般的に大型物流施設は、広大な敷地が必要になるためどうしても郊外にあることが多く、物流施設を活用する様々な業界の企業は一定の不便さを感じていたのだが、その不便をも都心にほど近い『レールゲート』は一気に解消するというわけだ。

過去をなぞらない。常に創造的アクションを。

この大規模開発案件を陰で支える一人が、事業開発本部開発部長の伊藤 裕介だ。開発案件において事業開発本部では、計画策定からテナント企業との貸付条件の検討・交渉、建設工事の発注、竣工までの管理・マネジメントなど、多岐にわたる業務を担う。伊藤はこれまで、ときに10年以上もかかるような数々の大型案件の推進を担ってきた。隅田川駅構内の荷捌・保管・流通加工・積替など総合的な物流機能を持つ大型複合施設『エフ・プラザ』。旧飯田町貨物駅跡地(現飯田橋駅付近)の北・中央・南の3街区からなるオフィス、商業、ホテル、住宅の機能を備えた複合都市『I-GARDEN AIR』。東京下町の江東区北砂(旧小名木川貨物駅跡地)という立地条件を活かした、面積約12万平米に及ぶ大型商業施設『アリオ北砂』などだ。 「いずれの案件も長期間のプロジェクトばかりで、思い入れがあります。また一つひとつの案件も、異なる性質。倉庫があれば、オフィスビルもあり、商業施設も。社員寮を手がけたこともあります。また、施設を借りていただくテナント企業にも様々な業態があり、考え方も異なります。開発に際してはその一つひとつのニーズに応えていかなければなりませんから、二つと同じ開発はないのです。それが難しさであり、魅力ですね。過去の経験をトレースすればいいという仕事ではなく、常に新しい経験ができ刺激的です」。

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レールゲートで日本全国をつなぐ。

そんな伊藤たちが手がけている今回の大規模物流施設。その計画の未来を伊藤はこう捉えている。 「物流施設や物流会社自体に対するニーズは、近年大いに変わってきています。社会構造が変化しているのですから、あたり前の話かもしれません。そしてその変化は、これから先の未来も続いていくでしょう。だからこそ、今回新たに誕生する物流施設は、多様な変化に対応できる柔軟性が求められると考えています。施設は主にテナントという形で各物流企業にお貸しし活用されることになると思いますが、テナント企業の方々がどのように施設を活用していくかも時代とともに変わっていくはずです。物流システムの進化や、輸送技術の進化など、そうした変化に対応しうる“器”の広い物流施設にしていきたいですね」。 さらにこう続ける。 「レールゲートブランドは全国に広がっていきます。『レールゲート東京』を皮切りに、北海道から九州までの各地の都市部に、貨物駅と連動した物流施設を建設していく構想です。日本の物流をレールゲートでつないでいくことができれば、私たちの成長だけでなく日本経済の成長にも大きく寄与できる。そう考えています」。 伊藤は、JR貨物の未来だけでなく、日本経済の未来をも力強く見据えている。

JR貨物の「進化論」。

「先人の努力で、鉄道貨物事業は安定的に収益をあげられるものになりました。私が担う不動産事業も好調です。しかし、そこにあぐらをかいてしまえば、その先に待っているのは衰退です。第4次産業革命という言葉もありますが、世界はこれからますます変わっていく。その変化にしがみついていくのではなく、もがきながらも変化を先取りしていくことが大切なのだと思っています。JR貨物には確固たる基盤があり、唯一無二の強みもある。それを糧にこれからも、攻めの姿勢で新しいことをやり続けていかなければいけないと思うし、だからこそ仕事がエキサイティングなものになるのだと思っています」。 諸説あるが、かつてイギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンはこう提唱したという。『強いものが生き残るのではない。変化に対応できるものが生き残る』と。それは、生物学の世界だけでなく、ビジネスの世界にも通じる真理だろう。 「JR貨物は変化を続けていく会社です。それができるだけのアセットもポテンシャルもこの会社は持っていると私は考えます。そして、その中で望みを言うなら、そうした創造的アクションにこれから入社する新しい仲間たちと挑んでいきたいということ。その意味では、いろいろな分野に興味関心を持てる人、未知の経験を楽しめるような人こそが、これからのJR貨物というフィールドを楽しめるのかもしれません。私たちがこれから果たしていく変化。それは、ここで働く一人ひとりが考え、動くことで生まれていく。私はそう思っています」。