社会をより良くするチームプレー。その輪のなかに、自分はいる。

中川 貴博Takahiro Nakagawa

工学部 輸送機器環境工学プログラム卒

新潟貨物ターミナル駅

PROFILE高校時代はラグビー部、大学ではヨット部に在籍。チームプレーの魅力にとりつかれ、就職活動でも連携が重要となる仕事を探す。2018年、JR貨物へ入社。現在は新潟貨物ターミナル駅にて、駅業務を担っている。

風を読み、つかんで、前進する。

帆を操るクルー全員の息が合わなければ、向かい風を推進力に変えることができない。それがヨットという競技です。私は大学時代、ヨット部に在籍していました。種目は、国際470級と呼ばれる全長470cmの二人乗りのヨット。競技中は常にクルー同士で声を掛け合い、あうんの呼吸でヨットの性能を最大限に引き出していきます。わずかな連携の乱れが推進力となる風を逃してしまいますが、息がぴったり合ったときに感じる爽快感は何にも代え難いものでした。 チームプレーの重要性は現在の仕事にも通じます。貨物列車は決して一人の力では動かせません。運転士さえいれば運行できるものではないのです。私は現在、新潟貨物ターミナル駅で入換業務を担当していますが、仕事のひとつに車両の誘導があります。駅にやって来る貨物列車は、ときに20両を超える貨車を連結しています。全長は数百メートル。そうなれば、運転士の目から後方を確認することができません。貨物駅では車両を移動させる必要があります。そこで私が無線機を手に車両最後尾に乗り、運転士の目となるのです。「目標停止位置まで、あと50m、40m、30m・・・」と的確なタイミングで、無線で指示を出していきます。運転士との呼吸があわなければ、運行に支障をきたし、安全をも脅かしかねません。入社1年目、まだまだ未熟ではありますが運転士との絶妙な連携で、秒単位で刻まれるダイヤを守る運行ができたときの達成感は、ヨット時代のそれに勝るとも劣りません。安全な運行に欠かせないのは、運転士との連携だけではありません。転てつ機を扱う人、コンテナの配置を計画する人など、職種の枠を超えたチームプレーが大切。多くの人との息がぴったり合って、列車は走る。そんなチームプレーの輪のなかにいられることに私は、大きな責任と喜びを感じています。

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阪神淡路大震災の年に生まれて。

「地域のため、社会のためになる仕事がしたい」。就職活動を始めたときから、そう思っていました。きっかけは、1995年の阪神淡路大震災。私は震災が起きる前の年の1994年に兵庫県伊丹で生まれました。もちろん0歳のときの記憶はありませんが、街が復興していく様子を目の当たりにしながら育ちました。なかでも印象的なのは、実家から程近い場所にある伊丹駅の復興。仮駅舎から新駅舎になるまでの3年間が記憶に残っています。鉄道が社会に欠かせないものだと最初に実感したのはそのときだったかもしれません。就職活動では旅客鉄道会社も見ました。ですが、全国ネットワークを持つJR貨物ならば、全国各地で暮らす人たちの役に立てるはず。そう思ってJR貨物を選びました。日本には、人口減少・人手不足という社会課題があります。また世界という視野で見ても環境面での問題は山積み。そうした問題に貢献できるだけの可能性がこの会社にはあります。この会社で働く仲間たちとのチームプレーを強化することが、この社会をより良いものにする一翼になる。そう信じて、これからも前進し続けていきたいと思っています。

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