世界初に挑む。
世の中をより良くするために。

上田一仁Kazuhito Ueda

工学研究科機械知能工学修了

鉄道ロジスティクス本部 車両部 
技術開発室 貨車・コンテナグループ

PROFILEコンセプトの立案から、開発、設計、検証と、ものづくりの全行程に携わりたいとJR貨物へ2008年に入社。車両検査業務や新入社員教育トレーナーなどを経て、技術開発部(当時)へ。現在、貨車の開発を担当している。

ものづくりの始まりからゴールまで、
すべてに携わる。

就職活動では、ものづくりの世界に行きたいとは考えていましたが、実は鉄道はまったく視野に入っていませんでした。生まれ育った鹿児島県徳之島は離島で、鉄道など走っていませんでしたし(笑)。JR貨物の存在を知ったのも偶然でしたが、知れば知るほど興味が湧きました。他の自動車や航空機などのメーカーとの一番の違いを感じたのが、ものづくりの全行程にいち早く携われるという点でした。新型機関車や貨車の開発においては、コンセプトや仕様書をつくることから始まり、部品から車両完成までの全開発工程にも関われるのです。またJR貨物の開発部自体が、大手メーカー各社と比較して少数精鋭。若いうちからより大きな裁量で働けるとも考えました。
そして入社から5年目のとき、技術開発部へ。現在私が担当しているのが、コンテナを載積する貨車の開発と評価です。今後増えるだろう貨物の品目や量、社会的ニーズにあわせた車両スペックを検討し、コンセプトや仕様、概略を決定。その後、車両メーカーと協働しながら設計し、実際の試作車を開発。試験走行を経て、量産体制を構築していくというのが主な仕事の流れです。

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世界初の仕事が、ここにはある。

貨車といっても実に様々な種類があります。コンテナを運ぶだけでも多様なサイズがありますし、他には液体、石炭、粉末状のものを運ぶ専用車両、あるいは重量何百トンという巨大変圧器を運ぶ車両も。2年ほど前には、長さ150mという世界最長の鉄道用レールを運ぶ新型車両の開発に携わりました。それまで鉄道用レールは25mか50mという長さに切断され運ばれていましたが、その長さを伸ばすことで、輸送品質の向上や補修の負荷を軽減させるという目的でした。
その中で、特に慎重になったのが試験走行でした。通常の試験走行期間は2〜3ヶ月ですが、そのときは1年以上の月日を費やし、トータルの試験走行は50回を超えました。試験結果が出る度に車両の仕様に調整を加えていったのですが、遙か彼方にあるゴールに半歩ずつ進んでいるかのような地道な作業。しかも目標としていた完成予定日は着実に近づいてきて、プレッシャーは日に日に大きくなっていきました。でも、車両は一度完成するとその先何十年と使われていく。日本全国を自分が手がけた車両が走り続けていくわけです。それを思うと、心は折れませんでした。そして2014年春、新型車両での営業運転が開始。今日まで事故なく、安全に走行しています。どんな仕事にも苦難はあるし、新しい取り組みになればなおさら困難が多い。そんなときには、自分の仕事のその先に何があるのか、世の中はどんな風に変わるのか。そんなことを想い描くことが大切。そして鉄道貨物という仕事は、社会的にも影響力の大きな仕事。だからこそ、困難に負けずやり抜く力が湧いてくるのだと私は感じています。

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